目標設定は「SMART」で

中小企業診断士・社会保険労務士 高橋美紀

 2012年もあっという間に1ヶ月が過ぎてしまいました。新年に目標を立てたという方もいらっしゃると思いますが、その進捗はいかがでしょうか。一方、3月に年度替りを迎えられる方も多いでしょう。2011年度を総括して、次のステップに思いをはせる時期でもあります。
そんな今の時期、ふと、「目標ってどんなふうに立てればいいんだろう」「どんな目標が自分(あるいは自社)に相応しく、いい目標と言えるんだろう」と素朴な疑問を持たれる方もいらっしゃるのでは? 目標の重要性については改めて確認するまでもないことですが、今回は「SMART」という切り口で目標設定する方法をご紹介します。
「SMART」とは、以下のように、良い目標の条件である5つのポイントの頭文字からとったものです。

1.Specific(具体的であること)
「誰が、何を、いつ、どのように行うか」を明確に決めます。目標と言うと、「頑張る」「努力する」という単語がお決まりのように出てきますが、これだけではどのように動いていいか戸惑うもの。実際に何をやるかが具体化されてこそ、初めの一歩が踏み出せます。

2.Measurable(測定可能であること)
目標設定しても、それが達成できたかどうかを判断できなくては無意味です。そのため、目標設定の際には客観的に測定可能な表現を心がけます。「前年比●%増(減)」などといった、売上げや経費削減の数字が設定できれば一番分かりやすいのですが、それが難しければ、せめて「何をもって達成とみなすか」をあらかじめ共有化しておきます。

3.Achievable(達成可能であること)
目標は高すぎても低すぎてもモチベーションがあがりません。「絶対に達成しよう」という気持ちがわき起こるよう、難易度や時間的・物理的制約を勘案した上で、たとえ難しくても十分達成可能なものを設定します。もちろん「現時点での力量」をしっかり把握しておくことが前提です。

4.Relevant(価値観と一致していること)
その目標が、自分が大事にしている価値観と一致していることが重要です。言い換えれば、「心の底から自分が望んでいる目標」であり、反意語は「押し付けられた目標」ということになるでしょうか。達成できたときに嬉しいのはどちらかは、明白です。

5.Time-bound(期限がついていること)
目標には期限を設けます。「近日中に」「中長期的に」といった曖昧な表現では、いつ目標達成の評価をしていいか分かりません。「いつまでに」を明確にすることが大事です。

この5つのポイントを意識することで、はじめて「頑張ります」「努力します」は説得力を持つのです。「SMART」を意識すればよりよい行動に繋がるはず、ぜひ試してみてください。

関連記事

Change Language

会員専用ページ

ページ上部へ戻る