中小企業診断士 塚本秀雄
近年、インターネットの普及に伴い、インターネット上での口コミをビジネスに活用しようという動きが活発化してきています。ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)は手軽に情報発信ができ、「口コミ」による情報伝播力が高く、中小企業でも営業力の向上につながるコミュニケーションツールとしてビジネスへの活用期待が高くなっています。
SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、ソーシャルという単語がつくように、人と人とのつながりを促進し、サポートするコミュニティ型のWebサービスのことを指します。自分の日記を書いたり、参加しているメンバーとメールのやり取りを行ったりすることができます。
また、最近ビジネスにSNSを活用している企業も増えています。自社のある製品の顧客を集めたSNSサイトをつくり、そこで顧客同士のコミュニケーションを図ることにより、ほかのブランドへのスイッチを防止したり、顧客の声を吸い上げて、次の製品づくりに役立てるという企業もあります。ここまで本格的な使い方をしないまでも、顧客とのコミュニケーションの場としてSNSを使う企業も増えています。典型的なのは飲食店や美容室など、顧客とのコミュニケーションがそのまま集客に結びつくような業種です。SNSで顧客とのコミュニケーションを取り集客を図っています。
SNSのビジネスでの活用のポイントは、既存のHPやブログと役割分担することです。多くの企業は、HPやブログなど、今までのインターネット活用基盤上で情報発信を行っていると思います。SNSを活用する場合、それらのHPやブログとは、種類の異なる情報をSNS上で発信(投稿)することがポイントです。
SNS上では毎日いろんな人が投稿し情報が流れていきます。ユニークなコンテンツであれば瞬間を捉まえて拡散するパワーが高いですが、投稿は数日たてばほとんど閲覧されなくなってしまいます。
そこで、詳しい情報(固定した情報や整理した情報など)はHPに置き、トピックスはブログに記載。SNSではポイントを簡潔に、速報性を持って発信し、コミュニケーションを深める。そして興味を持った人にはHPやブログに持てもらうという流れを作ることをお勧めします。
ここで留意したいのは、SNSの投稿には商売を前面に出しすぎないことです。SNSに参加している人は「コミュニケーション」を目的に参加しています。そんな場所であまり露骨に営業活動を行うと、かえって反感を持たれてしまいます。みんなが興味をもつような情報を提供するくらいのスタンスで参加したほうが、好感をもたれるようです。
このようなSNSの特徴や良さ・留意点を踏まえて、顧客とコミュニケーションを図ることや、貴社(貴社の商品やサービス)のファンを獲得することを目的にSNSをビジネスに活用することを検討してみてはいかがでしょうか。