力を合せて中小企業をもっと元気に
- 2013/5/1
- トピックス
公益社団法人川崎市産業振興財団 理事長 曽禰純一郎
かわさき中小企業診断士クラブの皆様方には、日頃から川崎市産業振興財団の事業運営に格段のご支援・ご協力を賜っておりますことについて厚く御礼申し上げます。
経済の先行きには、明るい兆しが見え始めたとはいえ、その効果が中小企業に及ぶまでにはタイムラグがあることも予測される中、市内企業の経営環境は依然として厳しく、ご苦労も多いのではないでしょうか。
本年3月に経済産業省が主催する「小さな企業成長本部川崎会議」が、産業振興会館で開催され、私も出席しましたが、その際も専門家派遣を中小企業の方々の役に立つ、より実効性のあるものにするための方策について色々な議論がされました。当財団としても、様々な経営課題を抱えている市内中小企業を支援するために、中小企業診断士の皆様の力を最大限に発揮していただくための方策について、クラブとも意見交換を重ねていきたいと考えています。
25年度の当財団の取り組みの基本的な姿勢としては、中小企業支援と産業振興という設立の原点を忘れず、地道な企業訪問や企業との面談、窓口相談等を積み重ねる中で、相互に顔の見えるネットワークを築き上げ、企業の皆さんとの信頼関係をさらに広く、強固なものとするよう努力することに尽きると思っています。
こうした中で、本年度は特に、中小企業金融円滑化法が終了することに伴い、よりきめの細かい経営支援が求められると考えています。診断士クラブの皆様にご協力いただき、中小企業の方々からも好評を得ているワンデイ・コンサルタントをはじめ窓口相談、専門家派遣や経営人材セミナーなどについても、利用促進に向けた方策について、創意・工夫を凝らしながら一層の充実を図ってまいります。
また、川崎発の元気企業の起業を支援するかわさき起業家オーディションについては、毎回、会場に多くの会員の方が駆け付け、温かい応援をいただいておりますが、昨年から「かわさき中小企業診断士クラブ賞」も設けていただき、応募者の大きな励みにもなっています。引き続きご支援くださるようお願いいたします。
当財団は、25年度から新たに、川崎市が整備を進めている殿町国際戦略拠点キングスカイフロント内に、(仮称)ものづくりナノ医療イノベーションセンター整備事業に取り組むことといたしました。
このセンターは、文部科学省の補助金採択を受けて、当財団が事業者となり、川崎市・東京大学・東京工業大学・東京女子医科大学・国立がん研究センター・実験動物中央研究所・富士フィルム・ニコンなどをパートナーとして、ナノ技術を活用してドラッグデリバリーシステムなどの革新的な技術によるがん新薬の創出などを目指すもので、ライフイノベーションの拠点に相応しい施設として期待が集まっており、整備に全力を尽くしたいと考えています。
かわさき中小企業診断士クラブは、川崎を拠点に活動されている方を中心に設立されて以来、会員数も2倍となるなど大きく発展されており、大変心強く感じています。
実効性のある中小企業支援が強く求められている今こそ、皆様の活躍の時だと思います。
皆様にお話しを伺うと実に様々なキャリアをお持ちで、まさしく専門家・プロフェッショナル集団であることが良く理解できます。こうした皆様がネットワークを築かれていることは大変意義深いものがあると感じています。ネットワークの力を結集することで、より実効性のある支援に結び付くと思います。貴クラブのさらなるご発展をご祈念申し上げます。
川崎は産業のまちです。川崎の元気の源は企業の力です。中小企業をもっと元気にするために、力を合わせて頑張りたいと思います。