ホームページ更新を継続するための秘訣とは?

中小企業診断士 塚平 和実

「どんなことを書いたらよいかわからなくて」

「忙しいからどうしても後回しになるんだよね」

仕事柄、中小企業経営者の方々とよく話をします。すると、かなりの確率でホームページのことが話題にのぼります。最近はホームページを持っていない会社は珍しく、ほとんどの会社に存在します。成り立ちや理念、商品・サービスをしっかりとアピールしている会社がある一方、ただそこに存在しているだけ、更新したのはいつのことやら、夏場にもかかわらずトップページに「あけましておめでとう」、というケースまで会社によって様々です。本来、自社の信頼性や強みをアピールし、商品・サービスの魅力を理解してもらうはずのホームページが、自社の信頼を傷つけ、見込客がひっそりと去っていく水先案内人となっているのは、非常に残念なことだと思います。

そんな会社の経営者がよく口にするのが、冒頭の台詞です。ホームページを活性化するには、定期的な更新は最も有効な方法の一つです。「何言ってるんですか!ちゃんと更新しなきゃダメですよ!」経営者に発破をかけるのは簡単です。しかし、それだけでは更新を継続するのは難しいようです。更新されない理由を考えると、主に3つに分けられます。①経営者の性格、②何を書いたらよいか本当にわからない、③業務が本当に多忙です。この中ですぐに改善が期待できそうなのが②です。

今更ですが、ホームページの目的は何でしょうか。それは、自社の企業イメージ、ブランドイメージを高め、商品・サービスの魅力を発信していくことです。その結果、問い合わせや商品・サービスの購入につながっていきます。したがって、ホームページに記述する内容は、前述の目的と望まれる結果につながるものでなければなりません。しかし、この目的と結果が見失われてしまい、迷い道に入ってしまい、どんなことを書いたらよいかわからないという事態に陥ってしまう。こんなケースが意外に多いのです。ホームページの目的と結果を常に意識することで、おぼろげながらでも書くべき内容がイメージできるようになります。

しかし、それだけでは筆が(もといキーボード打が)進まない。「漠然としすぎているのでテーマが絞り切れないよ」そんな声が聞こえてきそうです。ここで役立つのが、マーケティングのフレームです。伝統的な切り口として4P(製品・商品・サービス、価格、流通、プロモーションの英語頭文字がすべてPで始まるので、このように呼ばれている)というのがあります。この4つの切り口ごとに記事になるネタがないかを探してみてはどうでしょうか。絞り込まれたテーマとなるので、比較的記事もつくりやすくなるのではないかと思います。そして、切り口ごとに記事をストックしていくのです。後は更新頻度との兼ね合いです。1週間に2度更新するのであれば、どの切り口の記事をいつ更新するのかを決めておきます。これによりバランスよく記事が並ぶことになり、目的と望むべき結果に沿った更新がなされていくようになります。これで、少なくとも②については解決の糸口が見つかることと思います。

残りは①と③です。①はなかなか私たちがお手伝いすることは難しいですが、③は更新を行う方に対して継続的にモチベーションを与える仕組みをつくることで、解決できる可能性があります。いずれにしても、経営者一人が抱え込むことなく、社内または専門家を巻き込んだ取り組みが必要となります。

関連記事

Change Language

会員専用ページ

ページ上部へ戻る