小規模事業者にとって「経営計画書」は重要です!!
- 2016/2/1
- 診断士の視点
中小企業診断士 牧村 博一
中小企業・小規模事業者においては、まだまだ厳しい状況が続いています。そのような中、一昨年から中小企業・小規模事業者が販路開拓などにより収益を向上させるための「小規模事業持続化補助金」が創設され、3年目となる今年も公募が始まろうとしています。
この補助金は、販売促進のためのチラシ作成費用や商談会参加のための費用など幅広い内容が対象となっております(補助率は2/3、補助限度額は原則50万円)。しかしながら、従来の採択率は40%台と必ずしも高くはありません。補助金が「採択される」・「採択されない」の境界線が、実は「経営計画書」の作り方にあるのです。
本補助金で求めている「経営計画書」は1ページ程の簡易なものでありますが、この「経営計画書」の内容がいかに具体的であり、収益性、実現性、創造性等を審査員に訴えることのできる「わかりやすい」ものでなければなりません。
小規模事業者にとって、この「経営計画書」は、補助金を獲得するために作成することが多いのですが、「経営計画書」の効果はこれだけに限られたことではありません。
一昨年の「小規模事業者持続化補助金」の採択事業者アンケートによれば、全体の約6割が同補助金の活用をきっかけとして初めて「経営計画書」を作成したと回答していますが、この「経営計画書」作成後、事業者の意識面で「自社の強み・弱みが明らかになった」、「新たな事業を企画できた」とする回答している事業者が5割を超えているほか、「事業の見直しを行うきっかけとなった」との回答も約4割になっております(「2015年小規模企業白書」)。小規模事業者が「経営計画書」の作成をきっかけとして経営に向き合おうとする意識が生まれていることが読み取れます。
また、新たに「経営計画書」を作成した小規模持続化補助金採択事業者に「新たな取引先や顧客の獲得状況」について尋ねたところ、約51%が「獲得した」と回答し、「獲得する見込み」を含めると約97%の採択事業者が「新たな取引先や顧客の獲得する」と回答しています。さらに「売上の増加状況」を尋ねたところ、35%が「増加した」と回答し、「増加する見込み」も含めると、約90%の採択事業者が「売上が増加する」と回答しています(同じく「2015年小規模企業白書」)。
このように、小規模事業者にとって「経営計画書」の作成がいかに重要であるかがうかがえます。
平成28年3月に私が講師を務めます下記の「経営課題解決セミナー」では、このあたりの内容をもう少し詳しく皆さんにお話しをさせていただき、小規模事業者にとって「経営計画書」がいかに重要であるか説明するとともに、「わかりやすい経営計画書の作成ポイント」を解説させていただこうと考えています。ぜひお気軽にご参加下さい。
「経営課題解決セミナー:「わかりやすい『経営計画書』の作り方!」
- 日時 平成28年3月4日(金)18時30分~20時30分
- 場所 川崎市産業振興会館 9階 第2研修室
- 主催 公益財団法人川崎市産業振興財団
- 講師 中小企業診断士 牧村 博一
- 受講料 1,000円
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