「型技術」に「コストダウン事業計画で先手を打とう」を掲載
- 2017/6/26
- 会員より
日刊工業新聞社出版の金型の総合技術誌「型技術」に「初心者のための資材購買」を連載しています。第6回は、契約担当の重要な機能であるコストダウン活動を取り上げました。
市場で販売される製品は常に厳しい価格競争の中にあります。同じような製品を販売する競争相手は売り上げを確保するために対抗策を出してきます。対抗策の最も簡単な方法は価格を下げることです。当方も製品価格を下げることで対抗せざるを得ません。しかし、製品の価格を下げることは会社の利益を削ることです。
経営トップは利益を確保するために製造原価を下げることを要求します。製造原価の中で構成比率の高いのは原材料費であり、企業の利益を確保するために資材購買部門は原材料費を下げることで協力することになります。これが毎年のように繰り返されます。このようにコストダウン対応は資材購買部門の宿命なのです。
経営トップから原材料の引き下げの指示が出てからコストダウン対応をしたのでは間に合いません。営業部門は毎年、または毎期(半年)、販売事業計画を作成しますがこの時すでに市場の価格引き下げを想定した販売価格で計画を立てています。資材購買部門もこの情報を利用するのです。
営業部門の作成した市場価格下落の予測を参考に資材購買部門は原材料の調達価格のコストダウン目標金額を作成します。これがコストダウン事業計画です。営業部門が販売事業計画を作成して活動するように資材購買部門もコストダウン事業計画を作成し、先手を打つのです。
コストダウンは簡単ではありません。従来の価格決定の経過から値下げ要求ができない部品もあります。資材購買部門は、調達原材料の中からコストダウン可能な対象品目を絞り込みます。そして、あらゆるコストダウンの方法を検討し、対象となる原材料に割り振ります。コストダウンも合理的な理由がないと取引先に値下げの無理を強いることになり、これでは長続きしません。ムダの排除の提案や構造や材料の変更などコストダウンの具体的な方法を検討し、取引先の提案を聞きながら交渉に入ります。また調達価格のみにとらわれ十分検討せずに簡単に変更すると思わぬ問題の原因になります。コストダウン事業計画の実践事例を紹介すると共にコストダウンを実施する際の注意点も解説しました。
掲載誌 日刊工業新聞社刊「型技術」6月号
初心者のための資材購買 第6回 コストダウン事業計画で先手を打とう
主な項目
- コストダウン活動は宿命である
- コストダウンの対象
- コストダウンの方法
- コストダウン対応の注意
- コストダウン事業計画の作成
「型技術」については、次をご参照ください。
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0005