私が感じる中小企業診断士って!
- 2017/8/1
- 診断士の視点
■中小企業診断士は我が国で唯一公的資格の経営コンサルタント
中小企業診断士制度は、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。中小企業基本法において、中小企業診断士は中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。更新要件として、知識の補充要件と実務の従事要件の両方みたすこと
知識の補充要件(以下のいずれかを5年間で5回以上受講等) ①経済産業大臣が登録する研修機関が行う理論政策更新研修 ②中小企業大学校が行う支援人材向け研修 ③論文審査(①の機関が実施) ④ ①又は②の研修の指導(講師)
実務の従事要件(以下のいずれかを5年間で30点以上獲得) ①中小企業者に対する経営診断・助言業務(1日1点) ②実務補習又は養成課程の実習の指導が必要となる。(出所:中小企業庁ホームページ)
■中小企業診断士の役割
中小企業診断士は、業務を行うために、専門的知識の活用のほかに、企業と行政、企業と金融機関等のパイプ役、中小企業への施策の適切な活用支援まで、幅広い活動に対応できるような知識や能力が求められています。
(出所:一般社団法人 中小企業診断協会ホームページ)
■私の中小企業診断士資格取得の体験と想い!
私の中小企業診断士資格取得は、初回登録日昭和61年4月(30歳代前半)であります。その当時は、現在の制度と異なり商業と工業の2分野、一次・二次試験、同時一発試験合格が必須でした。その後実習2先がありました。試験に2回落ち、1回学習の途中棄権、家内からこれが最後と通告され(通学・受験等資金面もあり)4回目でやっと試験・実習合格となった次第です。人間必死になると何とかなることを教えられた次第です。同じことを、人より多く学習したのではないでしょうか?今から約30年前の企業勤務中の現役でありました。当時、企業内中小企業診断士第一号ですが勤務会社には本試験の支援制度はなく、翌年会社の研修制度として支援策ができたのは、後輩等の皆さんに多少のお役立ちができたのかなと思った次第です。
当時、中小企業診断士は世の中において認識度は薄いものでありました。私が、当初この資格を知ったのは偶然のことであり、大学生1年次、何気なく購入した就職に関する書籍でありました。その中に本資格が掲載されていたのであります。先輩方に多くの団塊世代がおり、私自身も同期入社数が多い時期であり、社内競争が激しい時代でした。良い会社を就職対象としたものの(何が良い会社かわからないまま)、大企業の社内派閥は自身には適当でないと思い、薄々ながら良好な中小企業も対象としていて、退職後、中小企業の皆様へ何らかの貢献をしたく思っていました。実は、私の父親も戦後、一人親方の洋服仕立屋でした。私と弟(私より優秀でした)は毎月安定したお給金が頂けるサラリーマン(企業勤務者)が魅力でした。ちなみに、私が就職したのは、中小企業専門地域金融機関でした。
~感銘を受けた先輩診断士の言葉~
上記記載の如く、本公的資格の制度として年1回の理論政策更新研修があります。かつて、東京診断協会で受講したとき、ある年長の講師の方のお話が未だに忘れられません。それは、受講者全員に向け放った言葉は、「あなた方は、組織内では収まらない傾向の方々で非常に個性が強い人間だと思われる。コンサルタントに向いている。企業内診断士、独立診断士、年金診断士等いろいろなグループの中小企業診断士がいるが、皆さんが将来日本を救うだろう」。というものでした。
もう一つは、先日、出版記念お祝いの席でご挨拶された方が、おっしゃった「中小企業診断士は資格ではなく「私格」~私として人間の格を向上すべきである~」との一言です。まさに、技術・手法は教わり身に付けることは可能ですが、人間として向上することは、容易ではないと思われますが、自身の努力・学習・経験が強い要因であると考えられます。私は、5年前定年退職し、昨年独立診断士となりましたが、未だ、ひよっこ診断士です。何時まで務まるかわかりませんが「経営コンサルティング」を選択し、可能であれば体験として「執筆・講師等」を実践したく思っています。私の体験上感じることは、「企業内診断士」は、収入保障の優位性があるものの、コンサルティング等の技術的向上と緊張感が薄いと思われることです。一方、「独立診断士」は、収入保障の優位性はないものの、コンサルティング等の技術的向上と緊張感が高いと思われることです。理由の一つとして考えられることは、その方にとって本業は何かということではないでしょうか。
いろいろな中小企業診断士の業務分類があると思われますが、多くの先輩方が、「①経営コンサルティング」、「②執筆」、「③講師」、また「3つの合わせ技」等でご活躍されています。今後とも、中小企業経営者をより理解すべく学習・努力し、中小企業診断士の諸先輩方のお話を胸に刻み生涯を進んで参る所存です。