平成31年度の財団事業の取組について

公益財団法人川崎市産業振興財団(KIIP)
理事長 三浦 淳

中小企業の経営者の皆さま、並びに川崎中小企業診断士会会員の方々におかれましては、日頃から当財団の各事業に対しましてご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

当財団は昨年設立30周年を迎え、また、中小企業サポートセンターが整備されてから今年で18年が経過いたしました。これまで果たしてきた成果を踏まえて、今後、中小企業の経営改善や経営基盤強化、成長分野への取組や、「Society 5.0」への対応等も含めた支援の充実を図っていくため、財団の機能をさらに強化し多様なニーズに応えてまいります。

特に今年度は、以下7つの支援活動に力を入れてまいります。

  1. 川崎市・NEDO・KIIPの3者の運営による新たな起業家支援拠点「K-NIC」において、個人及びベンチャー企業の支援を強化するとともに、「かわさき起業家オーディション事業」における一定のテーマに基づくビジネスプラン募集枠の設定や、受賞後の継続的な支援を実現するために、協賛企業等と連携して受賞者等を対象としたセミナーやイベントを実施するなど拡充を図ります。
  2. 中小企業支援における課題に取り組むための体制を強化し、持続的な産業振興を図る起業・創業支援、円滑な事業承継支援、IoT、ビッグデータ、AI、ロボット、ドローン等「Society 5.0」への支援、大企業と中小企業や他都市企業との企業間連携支援など強化します。
  3. 新産業創造センターの指定管理事業では、既存のKBIC、NANOBICに加え、本年1月に開設された「産学交流・研究開発施設(AIRBIC)」の運営を含め、慶應義塾大学K2タウンキャンパスや新川崎地区に立地する企業との連携により、ベンチャー企業の成長支援、起業家の創業支援、オープンイノベーションの推進等を進めます。
  4. 殿町・キングスカイフロントのナノ医療イノベーションセンター(iCONM)では、川崎市の進めるライフサイエンス・環境分野の国際戦略拠点形成の一端を担うとともに、「スマートライフケア社会への変革を先導するものづくりオープンイノベーション拠点(COINS)」の中核機関として、「体内病院の実現」へ向けた開発を推進します。また、2022年度以降のCOINSの後継研究事業を見据えた具体的な検討を開始します。
  5. 医工連携による医療・福祉分野への進出支援活動の一環で、iCONM、川崎市と連携し、医工連携による医療機器等への参入に向けた支援など新事業創出を推進してまいります。
  6. 中小企業の海外展開に向け、川崎市海外ビジネス支援センター(KOBS)を拠点として、川崎市と連携した展示会への出展、海外企業とのビジネスマッチング等を実施するとともに、中小企業の海外展開に伴う販路開拓、技術移転、知的財産保護等の相談、支援活動を強化します。
  7. 地域のイノベーションを促進するため、大手企業の知的財産を活用した知財交流活動を進めるとともに、中小企業の技術力を活かして大手企業の開発課題を解決するオープンイノベーション活動を推進します。

こうした活動を通じて、当財団の諸事業を連携させて、地域経済の活性化に向けて中小企業の成長支援、成長分野への進出支援等に貢献できるよう行政機関、支援機関、金融機関等オール川崎で強力に支援活動を実施いたします。

今年度も、中小企業の皆さまに役立つ事業・サービスの推進に努めますとともに、引きつづきのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

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