レガシィなITからDX時代のICT(Web、IoT/ICT・DX)へ

中小企業診断士・技術士 田中 弘一

生き残る・儲かるIT/DXの時代へのためにレガシィなITからの脱却を勧めます。例えば、官庁システムは昭和世代のレトロなものです。すなわち、ITも失われた20年から回復しないと儲かる企業にはなりません。日本では企業のIT投資は過去20年横ばいです。米国ではGoogleをはじめGAFAは巨額の投資を実施し儲けています。そして日本の優秀な人材がGoogle等にて働いています。一方、中国では独身の日(11月11日)に9兆円をインターネット経由で売り上げていますが、コンピューター等ITはダウンせず機能していました。すなわち、日本はITに関しても後進国になりました。また、コンサルタントもDX時代に合ったITの支援が必要です。

企業は、デジタル化とカーボンニュートラルへの対応に迫られています。一方、コロナ禍はビジネスモデルを大きく変化させ、企業は進化か、退場かを迫られ、適応力、デジタル力、耐久力を備え、進化・成功へと進まざるを得ません。

この様な状態で進化・成功している企業は世代交代によりデジタル化を積極的に進めています。

一方、数値による見える化の経営改善、昨今の事業継承の経営課題、気候変動に対応したBCPもIT化のポイントの一つです。

本トピックスにおいては、的を絞って次の三つについて紹介します。

1.Webサイト進化

(1)従来のWebサイトの役割は減少

従来のWebサイトは会社案内や主要製品の案内程度で事足りていました。しかしながら、次の理由で従来のWebサイトの役割は減少しました。

  • コロナ禍もありWebサイトから商品を購入したいが商品数が少ないので利用しない。
  • 新聞を取る所帯が減少し折込チラシの役割は減少しました。その代わり、スーパーに行って分かりますが、スーパーはWebサイトを強化し、チラシは店頭に置いています。

(2)DX時代のWebサイトの必要性

1)顧客より新Webサイトへの必要性

  • 5Gのスマートフォンで大量の検索に対応出来るWebサイトを利用したい。
  • Webサイトにて購入したい商品を顧客が素早く、大量に検索したい。

2)店側の新Webサイトへの要求

  • 最新の商品情報を即、Webサイトに掲載したい。
  • 当社Webサイトを上位に多く露出するSEO対策を具備したい。
  • Webサイトのコンテンツ作成、管理を容易にしたい。
  • Webサイトにデータベースを用意し、アクセス情報の分析をしたい。
  • Webサイトへのアクセス情報の分析により販売戦略、経営戦略を立案したい。

(3)DX時代のWebサイトとしてのCMSデジタルマーケティングシステム

上述の必要性、要望に応じてCMSデジタルマーケティングシステムが誕生しました。
(注:CMS:コンテンツマネジメントシステム)

1)CMSデジタルマーケティングシステムの機能

  • CMSデジタルマーケティングシステムは上記要求事項を満たすものです。

2)CMSデジタルマーケティングシステムの実績

  • A社では売上高が3年で2倍になりました。
  • B社ではWebサイトへのアクセス回数が2倍になりました。

(4)従来のWebサイトとDX時代のCMSデジタルマーケティングシステムの比較

1)CMSを「導入していない」Webサイト      出典:日立ソリューションズ

2)CMSを「導入している」Webサイト(CMSデジタルマーケティングシステム)

2.IoT/ICT・DXの開発

IoT/ICT・DXは超速の進歩を遂げています。一方、ERP、DX等のパッケージは多数販売されましたが、GEに代表されるように、その栄枯盛衰は激しいものがあります。理由は、製造業では多種多様、規模、量産、受注形態等汎用的、標準的なシステムはないためです。

また、法規制の改正、自社特有、部門特有の業務によりシステムに追加をせざるを得ません。特に、カーボンニュートラルはGHGの測定・改善を要求しています。

IoT/ICT・DXの開発先の状況は経済産業省DXレポート2では次のように報告されています。

(緑:自社でソフトを内製化、赤:オーダーメイド、青:パッケージ利用)
注:米国は自社に合ったソフトを内製化している。日本はオーダーメイドに頼っている。

出典:経済産業省DXレポート2

パッケージの不足部分は自社ソフト開発、Excel、ノーンプログラムでカバーします。
DX時代のITは、SaaS(クラウド)、パッケージソフト、ノーンプログラムの構成です。

ノーンプログラム(Node RED)
(注:ノーンプログラムは多数あり、Node REDが有名)

出典:IaCloud

3.IoT/ICT・DXコンサルタントの分類と対応

(1)IoT/ICT・DXコンサルタント分類

IoT/ICT・DXコンサルタントを分類すると、次のようになります。

① IoT/ICT・DXの知識がないためにIoT/ICT・DXを避け、従来方法でコンサルティング
【対応】IoT/ICT・DXの支援に腰が引け、企業の成長が停滞、見える化の経営はない。
② IoT/ICT・DXを得ようと挑戦するが、どのように学べば良いか分からない
【対応】IoT/ICT・DXの支援に腰が引け、企業の成長が停滞、見える化の経営はない。
③ IoT/ICT・DXを研修受講するが理解出来ず、消化不良となっている
【対応】IoT/ICT・DXの支援ではポイントが相違することがあります。
④ 大企業のIoT/ICT・DX部門に勤務後、役職定年でコンサルタントになる例
【対応】元幹部職として大所高所でIoT/ICT・DX支援をするがレガシーの面があります。
⑤ IoT/ICT・DXを生業として、現場に接しているコンサルタント
【対応】IoT/ICT・DXの支援に最適であるが、多忙なために支援時間がない。

(2)中小企業のIoT/ICT・DXへの取り組み

IoT/ICT・DXは中小企業にとっては必須であり、次のような取組方法があります。

① 自社で人材育成
② ITの知識のある非常勤者の雇用、アルバイトの採用
③ 中小企業デジタル化応援隊による応援
④ IT企業等に委託
⑤ 川崎市産業振興財団川崎市中小企業センター専門家派遣事業の利用

4.まとめ

出典:経済産業省 DXレポート2

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