第132回 かわさき起業家オーディション 川崎中小企業診断士会 応援賞贈呈

2022-10-2

9月16日(金)に、第132回かわさき起業家オーディション 最終選考会が開催されました。一部には、コロナ感染症の猛威は終盤が見えつつありとしています。現在、新型コロナは危険性が比較的高い1~3類などの措置ができる「指定感染症」とされていますが、保健所・医療機関の負荷の軽減等を鑑み、それを見直そうという議論もあります。日本全国での患者数は一時20万人を突破していましたが、現在は4万人を下回っています。一方、コロナやウクライナ侵攻よりもこの期間、国内外の人々を驚愕させたことは、安部元首相が凶弾に倒れたこと、世界中に愛されたエリザベス女王が死去されたことではないでしょうか。このように一寸先、全く想像もできないことが起きる今日です。事業環境においても、想定外の事態が続いています。日本と欧米の金利差を背景とした止まらない「円安」、ロシアのウクライナ侵攻等を要因とした食料・エネルギー・原材料すべてが高騰し、経済への下方圧力が強まっています。

このような心の拠り所の喪失感、先が見えない国内外経済・事業環境下ですが、今回もリアル参加者・オンライン参加者の前で、ビジネスアイデアの力強いプレゼンテーションが繰り広げられました。多数の応募の中から最終選考会に勝ち上がった4企業の共通点は、「社会問題の解決」であることです。これらのビジネスアイデアの中、当会から、川崎中小企業診断士会 応援賞を株式会社R65 代表取締役 山本 遼(やまもと りょう)様に贈呈させて頂きました。株式会社R65様のビジネスアイデアのテーマは「高齢者の住宅難民問題を解決する『R65不動産』」です。

その当時勤めていた不動産会社に賃貸物件探しに来られた80歳代のおばあさんとの出会いが起業のきっかけです。不動産会社を5軒尋ねたが、ほとんどが門前払いだったそうです。電話で200件確認したところ、高齢者へ紹介可能な物件はわずか5件という実情でした。そもそも、高齢者というだけで8割が入居不可でした。高齢者の方にも相応・豊かな暮らしができる不動産物件を提供できるようにと「R65不動産」を立ち上げました。厚労省によりますと、「2025年には約30%が65歳以上の高齢者に」、「総世帯の26%が高齢者世帯に」と推定されています。このように高齢者向け物件ニーズが確実にあるにも関わらず、不動産業界が高齢者というだけで物件提供に難色を示すのは、高齢居住者の認知症、特に孤独死が発生し、事故物件化・物件価値の低下への懸念があるからです。このことから。不動産業界で高齢者は、「効率が悪く、売上に繋がりにくい」というのが通例でした。

「R65不動産」では、この懸念点を軽減するために、以下の3点を行なっています。

1)「あんしん見守りパック」の考案

これは、電気使用量をAI解析することで、入居者のプライバシーを守りながら異常を検知、通報するシステムです。このシステムの企画・販売、また、見守りについては、地域の福祉サービスとの連携します。

2)孤独死等による物件価値低下への対策として、損害保険を設定

3)高齢者に特化した不動産仲介企業、およびポータルサイトの立ち上げ

まず、この高齢者の物件問題に共感頂けるオーナーさんを増やしていくことが課題となっています。川崎中小企業診断士会は、我々が目指す「社会課題の解決」を共有化できる可能性があり、また、神奈川県下、川崎での事業展開を検討されており、当会会員においても、他人事ではなく、同様に広く地域に貢献することが期待されることから、(一社)川崎中小企業診断士会 応援賞を贈呈させて頂きました。

次回のかわさき起業家オーディションは、予測不能な社会状況が続いていると思われますが、12月9日(金)に第133回の開催を予定しています。コロナ禍は沈静化が見られます。リアル会場でのプレゼンテーション、およびリアルなビジネス交流ができることを期待すると共に、皆様にもプレゼンテーションを盛り上げて頂けるよう願い、多数のご参加をお待ち申し上げております。

(文責:創業支援部 金子康彦)

記念撮影(右から山本代表取締役、入谷当会理事長)

Change Language

会員専用ページ

ページ上部へ戻る