2024年9月20日（金）に、第140回かわさき起業家オーディションの最終選考会が川崎市産業振興会館で開催されました。

かわさき起業家オーディションは、年４回開催される年齢・活動拠点・国籍などの制限がないオープンなビジネスオーディションで、内外から様々な分野のビジネスの「種」（シーズ）を募り、優れたビジネスプランやビジネスアイデアには、販路拡大・資金調達の支援やベンチャーキャピタリスト・ビジネスパートナーとの出会いの場の提供などビジネスプランやビジネスアイデアを実現するためのサポートが行われています。
第140回の最終選考会では、一次書類審査および二次面接審査を通過した４名の起業家からのビジネスプランの発表がありました。４名の発表の概要は以下の通りです。

【第二のマイナンバーをつくる「proovy」】　株式会社Recept　大島拓也様
「proovy」は個人情報の保管・管理および本人認証に関する課題を解決するサービスです。DID/VC 技術を利用しこれまで事業者が保有していた個人情報データをユーザーデバイス側に記録することで、必要に応じて事業者が取りに行く仕組みを実現するものです。事業者側のコストを下げながら、より個人が便利で安全に個人情報データを管理する世界の実現にもつながります。

【読字困難・ディスレクシア向け 文字を“読む”をサポートするアプリ】ファシリティジャポン株式会社　長井早和子様
文字認識が苦手なディスレクシア・読字困難者向けのスマートフォンアプリ「MYdys」の日本語版の開発に取り組んでいます。ディスレクシアは、文字を認識する際に困難を感じる障害で人口の７~８％の方が該当すると言われています。潜在的にこの障害を持つ方は日本に推定で１０８０万人居ると言われています。一方で、日本においてはまだ十分に認知されておらず、適切な支援が提供されていない現状があります。ファシリティジャポンは、この障害を抱える方々のために教育機関や企業との連携を進め、日本初となるディスレクシアや読字困難者の『読字』を支援するアプリを開発し、社会的な支援の充実を目指しています。

【リーガルサービスを全ての人に、オンライン法律相談サイト】福島駿太　様
現在の日本は、残念ながら誰もが気軽に弁護士に相談できるという社会ではありません。日本の法律相談には需要と供給のミスマッチが生じています。日本には数多くの法律問題が生じ、困っている人がたくさんいる一方で、弁護士には「案件の受任に繋がる法律相談」でなければ、相手にしてもらえないという状況です。オンライン法律相談サイト「リーガルアクセス」はこの問題を解決するための「法律相談を価値化する」プラットフォームです。誰もがすぐに弁護士に相談できる社会の実現を目指します。

【工場の困ったイマを解決し、町工場のアスになる　】株式会社丸菱製作所
ASNARO （アスナロ）は、「工場の困ったイマを解決する」技術を出品する製造業のフリマサイトです。発注側、受注側双方の工場に困った「イマ」があり、その困った「イマ」を解決する、日々の生産の中で発生する顧客の供給責任を果たすために必要とする発注者側の困りごとと、取引の変動やリソースの空き状況による慢性的な受注者側の困りごとをつなぎ合わせることにより、双方都合の良い立場で取引した結果フラットな立場で連携をすることができるサービスです。

●川崎中小企業診断士会応援賞
川崎中小企業診断士会応援賞をファシリティジャポン株式会社　長井早和子様に贈呈させて頂きました。川崎中小企業診断士会応援賞は、川崎市内またはその近隣における実現性の高い起業や新分野に進出されるアイデアに対してお贈りするものです。

ファシリティジャポン株式会社はこれまで、ウェブサイトの閲覧支援ツールをリリースしてきました。視覚・動作・認識の困難を持つ方々が、より快適にウェブサイトを閲覧できるよう、画面表示を自動的に最適化する閲覧支援ツールは政府広報を始め既に多くの企業のウェブサイトに導入されております。今回発表された「MYdys」はディスレクシアによる当事者の学習機会の不平等や社会的孤立を防き「誰一人取り残されない、インクルーシブな教育社会を実現する」取り組みです。社会的な意義の高さと実現可能性の両方で高く評価させて頂きました。

受賞おめでとうございます！

かわさき起業家オーディションは現在、第142回のエントリー受付中です。応募締切日は2024年12月17日(火)、最終選考会は2025年3月7日(金)です。ご興味のある方は下記サイトをご覧ください。

▼かわさき起業家オーディション　公式HP
https://www.kawasaki-net.ne.jp/bizidea/

多数のご参加をお待ち申し上げております。

（文責：創業支援部　古山　亮一）