第142回 かわさき起業家オーディション 参加レポート

2025-3-31

2025年3月7日(金)に、第142回かわさき起業家オーディションの最終選考会が川崎市コンベンションホールで開催されました。
かわさき起業家オーディションは、年4回川崎市にて開催されるビジネスオーディションです。活動拠点や国籍などの制限がないオープンなオーディションで、様々なビジネスアイデアを持った多様な方々が参加されます。第142回の最終選考会では、一次書類審査および二次面接審査を通過した4名の起業家からのビジネスプランの発表がありました。4名の発表の概要は以下の通りです。

発表者集合写真

■codeless technology 株式会社 代表取締役 猿谷 吉行 様

【製造業・自治体向けの業務DX推進ツール『そのままDX』】
https://SonomamaDX.com

日本の中小企業では、DXの必要性を感じながらも、システム導入の手間やコストの問題でなかなか進められていない現状があります。codeless technology株式会社の提供する『そのままDX』は、既存の書類を写真で撮って送るだけで、数時間で元の書類と同じ見た目のデジタル入力フォームを生成できるシステムです。ユーザーは、従来の紙資料と同様の感覚でフォームへの入力が可能となります。
このサービスにより、企業は従来の業務フローを大きく変えることなく、簡単にデジタル化と業務効率化を実現でき、DX化の第一歩をスムーズに踏み出すことが可能となります。すでに自治体向けにもペーパーレス化支援を行っており、高齢者や外国人向けのバリアフリーな行政サービスの提供が期待されています。
同社では低コストでのDX導入を実現し、日本全体の生産性向上に貢献することを目指されているとのことです。今後は国内100万社への導入を目指し、さらに海外市場も視野に入った計画となっています。

■株式会社 frame and surface エグゼクティブ(COO)中村 聡 様

【アナログ広告の効果測定を可能にするDXツール『われどこ』】
https://fas.co.jp

アナログ広告(チラシ・ポスター・DM)は、今もなお有効なマーケティング手法ですが、その効果を正確に測定する手段がなく、広告主が実際の反響を把握しづらいという課題がありました。デジタル広告は即座に効果測定できるため、広告予算がデジタルに偏り、アナログ広告業界は低予算化や価格競争に悩まされているのが現状です。『われどこ』は、こうした課題を解決するDXツールです。
キャンペーン毎に発行されるQRコードをチラシやDMに貼るだけで、紙媒体広告の効果を“見える化”。ユーザーがQRコードをスキャンすることで、広告の閲覧数、反響エリア、時間帯別の効果、デバイス情報などのさまざまなデータをリアルタイムで収集・分析でき、より精度の高い広告戦略の立案が可能になります。これにより、広告の費用対効果を最大化し、ターゲットのニーズを的確に捉えた施策を実行できるようになります。
また、あまり広告にお金がかけられない中小企業でも、限られた予算を最大限に活用できるだけでなく、無駄な印刷や配布を削減することで環境負荷の軽減にも貢献できます。
今後は、広告代理店や印刷業者との提携を強化し、アナログ広告の価値を再定義する革新的なソリューションとして市場展開を加速していきます。
「アナログ広告を“攻め”のマーケティングへ。『われどこ』で、紙媒体広告の新たな可能性を体験してください!」

■株式会社 nori・nori 代表取締役 服部 満 様

【貸切バスのタイムシェアリングサービス「nori・nori」】
https://nori-nori.co.jp

共働き世帯では、子どもの習い事の送迎が大きな負担になっています。保育業界では「園のお預かり時間中に習い事をさせたい」という保護者からのニーズに応えたい希望があり、習い事事業者も商圏を広げるために送迎サービスを導入したいと考えていますが、コストや業務負担の問題からなかなか実現できていない現状があります。
「nori・nori」は、貸切バスのタイムシェアリングを活用し、事業者が手軽に安全な送迎を行えるサービスです。従来、貸切バスは短時間利用でも高額になることが多く、利用しづらい面がありました。nori・noriは、バスを長時間まとめて借り上げ、その時間を地域の利用者でシェアすることで、安全性を保ちながら短時間でもお得に利用できる仕組みを構築しています。貸切バスの稼働率を上げることで、環境負荷の軽減にもつながります。
今後は、企業向けの従業員送迎や高齢者向けの移動支援などさらに市場を広げ、多くの方に利用してもらえるサービスを目指していきます。

■株式会社スーツ 代表取締役社長 CEO 小松 裕介 様

【シンプルで使いやすいタスク管理ツール「スーツアップ」】
https://suitup.jp/

日本の中小企業の多くは、タスク管理をエクセルや紙ベースで行っており、業務の属人化や非効率な作業が課題となっています。従来のタスク管理ツールは多機能すぎて使いこなせないケースが多く、中小企業への導入が進んでいません。
「スーツアップ」は、エクセルに似た使いやすい入力画面を採用し、誰でも簡単にタスク管理ができるクラウドツールです。特にタスク雛型機能や期限通知機能を搭載することで、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぎ、スムーズな業務管理をサポートします。ITが苦手な方でも使いやすい「やさしいテクノロジー」が特徴になっています。
このツールの導入により、タスク管理の負荷を軽減することで、企業の業務効率の向上とオペレーションの改善が期待されます。今後は、2025年5月に正式版をリリースし、さらなる機能強化や市場拡大を目指しています。

 

今回の審査では、デジタル技術の活用や既存の仕組みを最適化するアプローチによって、業界の課題に新たな価値を提供するビジネスが揃った印象です。どの企業も今後の成長に期待が持てる審査となりました。

 

■川崎中小企業診断士会応援賞

川崎中小企業診断士会応援賞は、川崎市内またはその近隣における実現性の高い起業や新分野に進出されるアイデアに対してお贈りするものです。
第142回では、株式会社 nori・nori 代表取締役 服部 満 様に贈呈させて頂きました。

「nori・nori」は、貸切バスのタイムシェアリングを活用することで、事業者が短時間から従来よりも安価に、安全な送迎を行えるサービスです。
現在は子どもの送迎が想定されていますが、川崎市では転入超過が続いており、全国的にも未就学児を有している家庭が多い都市です。近年共働き世帯が増えていく中で社会的なニーズが充分にあり、普及性が期待される事業です。社会的な意義の高さと実現可能性の両方で高く評価させて頂きました。

応援賞贈呈

受賞おめでとうございます。

かわさき起業家オーディション第143回の最終選考会は2025年7月18日(金)です。ご興味のある方は下記サイトをご覧ください。

▼かわさき起業家オーディション 公式HP
https://www.kawasaki-net.ne.jp/bizidea/

多数のご参加をお待ち申し上げております。

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